私はどちらかというと物をバンバン捨てるほうです。
収納が少ない、ということもありますが、使わなくなった(この先も使うことはきっとない)物が、ずっと目の届く場所にあったり、収納を開ける度こんにちはってされることがすごい不快なんですよね。
今までいろんな不用品(と思われる物)を処分してきたわけですが、ここ数日、処分したことをすごい後悔してる物があります。
本。
古本屋に持って行って、臨時収入2千円♪と喜んでいた過去をすごい後悔。
後悔のきっかけは、友人からもらった江國香織の『ぬるい眠り』という短編集。
江國香織は『冷静と情熱のあいだ』『きらきらひかる』なんかが有名なのかな?
実は、あまり知らない=読みたいと思わない作家の一人でした。
私は人に自慢できる読書家ではないので偉そうなことは言えませんが、むかし彼女の本を読んだ時・・・
だから?それで?って感じのなんともすっきりしないというか変な喪失感だけ残ったという記憶があります。
私の中で江國香織の小説は、「自分とはあまりにもかけ離れてる病的なほどに繊細過ぎる女、の終わりのない恋愛小説」でした。
実際今でもそう思ってますが、昔はイコールつまらない、もう読まない。だったのが、今は、また読んでみたいな、に変わりました。
『ぬるい眠り』の著者のあとがきに
私は、自分の小説の登場人物たちが、「その後もどこかで何とかやっている」と考えることが好き・・・
というくだりがあるのですが、正にそれ!
『ぬるい眠り』の後にも何冊か読みましたが、この女はこの後どうなっちゃうんだろうとか、肯定も否定もなく、「このまま何とかやっていくんだろうな」と何とも軽いさらっとした読後感なのです。
それと、彼女の表現力、言葉の美しさ。たとえヘヴィな内容であっても、全体的に透明感が出ているというか。
読んでいる自分の周りの空気が澄んでるような不思議な感覚。
そんなわけで、江國香織の本に限らず、何らかの理由でもう読まないと売ってしまった本も、今読めば全然違う本かも?と。
売った後悔と読みたい欲求がハンパなく押し寄せてきているわけなんです。
でも、一度買った本をまた買うことにはかなりの抵抗がありまして。たとえ古本で安価であったとしても。
そうなると図書館しかないですよね。
めんど臭・・・
もう本は絶対に処分しない!と決めた今日この頃なのです。
= ちびっこ時代 =
まろんは捨て猫でした。
元飼い主は捨てたことを後悔しているだろうか・・・。
人気ブログランキングへ